曼荼羅(まんだら)という言葉を聞いたことがありますか?
宗教のお話などによく出てくる曼荼羅ですが、一体なんなのでしょうか?
現代アートとしても人気のある曼荼羅について、お伝えしていきたいと思います。
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曼荼羅とは何?
曼荼羅とはサンスクリット語で円板、円輪、壇などという意味があり、「曼荼羅」ではなくて「曼陀羅」という字で表されることもあります。
起源は古代インドの仏教で、中央アジア、中国、朝鮮半島、日本へと伝わりました。
真理を言葉ではなく、視覚を通して、象徴的に表現しようと生まれた図です。
曼荼羅は仏教の中でも特に密教において、本尊を中心にして、関連のある諸尊や守護などの絵柄を四角形や円形の形の中に、決められた方式に従って配置し整然と描かれます。
曼荼羅には幾つかの種類があり、宗派などによってその絵柄や世界観には違いがあります。
聖域、仏の悟りの境地などを仏像、シンボル、文字などを用いて視覚的、象徴的に表しています。
密教だけでなく、日本の神道やヒンズー教などでも曼荼羅は存在しています。
それぞれの曼荼羅によって、その内容や表現方法には違いがありますが、どの曼荼羅でもその絵柄や文字が意味を持ち、世界観や悟りの境地などがわかりやすく示されています。
現在でも、日本、チベット、ネパールなどでは曼荼羅が盛んに作られています。
日本にはどんな曼荼羅があるの?
東寺(京都) 両界曼荼羅 金剛界曼荼羅 #東寺 #京都 pic.twitter.com/XaqcQwi8vA
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— 美術すき! (@fsc1234567) June 21, 2019
日本の曼荼羅は、主に密教曼荼羅のことを指しています。
代表的な曼荼羅には平安初期に空海が持ち帰った「胎蔵界曼荼羅」(たいぞうかいまんだら)と「金剛界曼荼羅」(こうごうかいまんだら)があります。
6~7世期の中期密教で中国を経由したものになります。
この2つはどちらも大日如来の絵を中心にして描かれた図柄で、仏の世界はこの2つで一対とされており、両方を合わせて両界曼荼羅と呼ばれています。
この他にも中心が大日如来以外のものになっている別尊曼荼羅や、阿弥陀浄土が表された浄土曼荼羅、神道の世界を表現した垂迹曼荼羅、文字で表現されている文字曼荼羅などがあります。
日本の曼荼羅が四角形なのに対して、チベット曼荼羅は円形で描かれていて、その種類は様々です。
古代インドが起源の曼荼羅の原型には宇宙感が示されていますが、日本では仏教の世界観が表現されているのが特徴です。
曼荼羅は現代アートにもなっている?
最近では曼荼羅は、現代アートとしても人気があります。
その多くは密教のように大日如来などの仏像画が描かれているものではなく、幾何学的な模様で表されるものです。
点描曼荼羅、糸かけ曼荼羅、万華鏡曼荼羅、水彩画、切り絵など、色も鮮やかな様々な種類のものがあります。
その形や色が魅力的でひかれる人が多いようです。
もしかしたら無意識に、曼荼羅の宇宙観や世界観を感じているのかもしれませんね。
まとめ
曼荼羅には本当にたくさんの種類があります。
どれもその中には宇宙の真理やそれぞれの宗教の大切な世界感が込められています。
今は曼荼羅アートとして絵画などの美術品や手軽に購入できる素敵なタペストリーなどもたくさんあります。
気になる方は是非お気に入りを探してみてくださいね。
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