「養老の滝」と言えば、創業から60年以上も続く、全国に店舗を持つ有名なチェーン店ですよね。
昭和31年に横浜への出店以来、居酒屋チェーン店の中でも、NO.1の歴史を持っているそうです。
そんな有名な養老の滝ですが、日本には本当に「養老の滝」という滝が実在することはご存じですか?
養老の滝にまつわる、昔話もあるんですよ。
意外と知らない方もいるこの事実、今回は実在の滝「養老の滝」についてお伝えしてきたいと思います!
養老の滝は岐阜の昔話
岐阜県には、養老公園という有名な公園があります。
その公園の奥深くに、養老の滝があります。
そしてその養老の滝には、昔話として語り継がれている伝説があります。
養老の滝伝説
今から1300年ほど前、時代で言うと、平城京(710〜784)に遷都して間もない頃のお話です。
源丞内(げんじょうない)という、貧しいけれどとても親孝行なきこりが、老いた父親を1人で養いながら暮らしていました。
ある日、いつものように山中に薪を取りに行ったところ、石に滑って転んでしまいました。
するとその近くから、お酒の香りが漂ってきて、見ると酒が流れ出る石がありました。
ひょうたんにその酒を汲んでは、酒好きの老父へ持ち帰ると、父親は大変喜びしたので、親思いの源丞内は、毎日この酒を汲んで帰り飲ませました。
老父はみるみるうちに、若返り元気になりました。
この不思議な出来事の噂は、都にいる女帝・元正天皇(げんしょうてんのう)の耳にも届きました。
源丞内の親孝行に感心した元正天皇は、実際にその地に赴いて口にし「これは老いを養う若返りの水」と、年号を霊亀3年から養老元年に改め、この滝を「養老の滝」と名付けました。
また、養老律令(ようろうりつりょう)を、養老2年(718年)に成立し、757年に施行されています。
律令とは律令国家の基本法典で、簡単にいえば日本の法律のことであり、刑罰、政治、経済などを定めた法律全般を指します。
これが現在の岐阜県養老町に、今でも実際にある、養老の滝に残された伝説です。
養老の滝の現地の看板
現地の看板には、こう記されています。
また、水がお酒になった親孝行の「養老孝子伝説」など故事来歴のある優れた霊水です。
奈良時代、元正天皇は「万病を癒す薬の水」との報告を受けられ、美濃の国多度山の美泉に行幸されました。
史書「続日本記」に記述されている元正天皇のお言葉があります。
「自分で手や顔を洗ったら、皮膚はつるつると綺麗になり、痛むところも治った。
また、この水を飲み、浴した人は、白髪も黒くなり、はげた髪も新しく生え、見にくくなった目も明るくなった。
目出度いことです。
この水は、真に「老を養う若返りの水です」
元正天皇は、「醴泉は、美泉なり。以て老を養うべし、蓋し水の精なればなり。
天下に大赦して、霊亀三年を改め、養老元年と為すべし」と詔なさって、西暦717年に年号を「養老」と改められました。
名水百選「養老の滝、菊水泉」の「菊水泉」は、滝から約500m下の養老神社境内にあります。
今では、滝と泉が上と下に分かれていますがが、もともとは滝の瀬として一つの流れでした。
養老山から流れ出る水は、石灰岩層を浸透してきたもので、炭酸分やミネラルを含み爽やかで甘美な水です。
元正天皇がお言葉された「長寿、若返り、健康」の霊水でもあります。
伝説の中では、酒を汲んで老父に飲ませたとありますが、本当にお酒だったのでしょうか?
この話が最初に登場する歴史書「続日本紀」では、不思議な力を持つこの液体は、「お酒」ではなく「水」とされています。
時代の流れの中で、いろいろな人によってストーリーが描かれていくうちに、次第に「水」が「お酒」に変化していったようです。
確かに水ではなく酒といった方が、なんだか不思議でドラマチックですね。
また、こちらの近くには養老神社がありますが、多くの神社には「霊泉」といわれるものがあり、その泉の水を利用して、神祭の酒を造りました。
滝もまた同様に神聖なものとされるので、その辺りも影響しているのかもしれませんね。
養老の滝はパワースポットなの?
全国には、健康長寿にまつわる滝の逸話がたくさん残されています。
その中でも養老の滝は、本場のひとつとも言えます。
養老の滝は、岐阜県養老郡養老町にある、日本の滝100選にもあげられている、落差32m、幅4mの滝です。
県で設置された養老公園内の奥深くにあって、観光地として訪れる人も多いとは思いますが、パワースポットとして参拝する方も多くいます。
滝の大きさはそれほど大きいものではありませんが、見た目の美しさや、落水の音にも勢いがあり、近くで見ると迫力があります。
滝のそばには不動明王や遥拝所、下流には「養老神社」があり、良い気が流れているなど、神聖さを感じる方も多いようです。
土地そのもののパワーや、神社、滝による浄化、また綺麗な水のあるところを龍神が好むことから龍神好きの方も訪れるようです。
毎年7月1日には滝開き式が行われ、見応えがありますよ。
来年に開園140年を迎える #養老公園(養老郡養老町)の #養老の滝 で1日、滝開きがあり、山伏姿の修験者が破魔矢を放ち、行楽シーズン中の安全を祈願しました。修験者が護摩壇を中心にして厄を払う破魔矢を放ったほか、滝つぼ周辺では地元有志らが豪快な手筒花火を披露しました。 pic.twitter.com/5dt11p7SCn
— 岐阜新聞報道部 (@gifunp_houdou) July 1, 2019
この「長寿、若返り、健康」の伝説の霊水は「養老神社」で汲み、持ち帰ることができます。
養老公園の駐車場について
■養老公園 公式サイト
https://www.yoro-park.com/parking-map.html
岐阜県では、県営都市公園の魅力をタイムリーに知っていただくため、
県営都市公園ポータルサイト『ぎふパークライフ』を開設しました!養老公園の紹介ページもありますよ♪
ぜひ、チェックしてみて下さいね(^^)/https://t.co/yXAxkPbGqo#gifupa— 養老公園 (@yoroparkcom) June 25, 2019
<養老公園>
・住所:岐阜県養老郡養老町高林1298-2
・電話:0584(32)1108
・営業時間:AM9:00~PM5:00(最終入場PM4:30)
・入場料:無料
周辺には複数の駐車場がありますが、場所によって有料駐車場と無料駐車場があります。
養老の滝に比較的近い場所に、民営の有料駐車場が2か所あります。
料金はそれぞれ異なります。
養老公園管理の駐車場は、無料です。(大型バスは第3駐車場を利用)
また養老の滝までは距離がありますので、ご自分が歩いていけるかどうかも考慮して、判断してくださいね。
平日 1回500円
土日祝日 1回1,000円
※7月20日~8月31日、1月1日~1月3日は1,000円
約100台(大型バス不可)
営業時間
9:00~17:00(営業時間延長有り)
1回300円
約200台(大型バス可)
まとめ
実在の養老の滝についてはいかがでしたか?
駐車場など最新の情報は、ご自身で調べた上で、ぜひ行ってみてくださいね。
ちなみに居酒屋チェーン店、養老の滝の創始者である木下藤吉郎さんは、この養老の滝伝説に感銘を受け、「親孝行と勤勉」を社是として、社名を「養老乃瀧」としたのだそうです。
何かの際にはぜひ、実際の養老の滝に行って、パワーをいただいてきてみてくださいね!
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