「ストレス臭」という言葉を聞いたことがありますか?
ストレスにさらされたり、緊張状態になったときに、脇などに汗をかいて、その汗が普段よりもくさいと自分で感じることはありませんか?
それがストレス臭と呼ばれるものです。
現代社会ではストレスを抱えている人が多いので、このストレス臭に悩んでいる人も多いかもしれませんね。
人間が緊張状態になったときに出る、精神性発汗のストレス臭についてお伝えしていきたいと思います。
<その他の健康についてはこちら>
体の悩み帯状疱疹や水虫ストレス臭、雨の憂鬱や日々の健康管理も
ストレス臭はどこからくるの?
人間のかく汗には、同じ汗のように見えても、実は大きく分けて3種類の汗があります。
【汗の種類】
①温熱性発汗
気温や室温の変化、運動などの影響で、体温維持のために出る汗のことです。
主にエクリン腺と言われるところから出る、においがほとんどしない、成分の99%が水のさらっとした汗です。
全身から発汗し、上がった体温を下げる働きがあります。
②味覚性発汗
辛いものや酸っぱいものを食べた時に出る汗で、主に額や鼻などから出ます。
においはほとんどありません。
③精神性発汗
緊張、不安、焦りなど精神的なストレスを感じる時に、エクリン腺とアポクリン腺の両方から出る汗です。
アポクリン腺からの汗には、タンパク質やミネラルなどを含む脂質、アンモニアなどが含まれています。
エクリン腺から出る汗がにおいがないのに対して、アポクリン腺はにおいのある汗です。
暑さには関係なく手の平や足の裏、脇などの限られたところから発汗します。
ストレスを感じた時に出る精神的発汗は、アポクリン腺からのにおいのある汗を含むため、この汗をかくことでストレス臭が発生します。
緊張の汗は臭い
仕事や面接、何かの発表の場、緊張する相手と会う時など、緊張や不安などのストレスを感じると、においのある汗をかきます。
「緊張して手汗がすごい!」などと言ったりしますが、緊張した時の手の平や足の裏の汗は、ヒトがサルのように木の上で生活していたときのなごりとも言われています。
獲物を捕まえる時や敵から逃げる時に、手の平や足の裏から適度に湿り気を出して滑りにくくするためと考えられています。
緊張の汗から発生するストレス臭は、年齢や性別を問わずに発生します。
資生堂の会社の研究員が、緊張による心拍数が高くなった人ほど、においが強く出る傾向にあり、その成分の構造は、硫黄化合物系のものだということを突き止めています。
ストレス臭のにおいをかぐと、本人も周りの人も、疲労や混乱の度合いが高まる可能性があるといいます。
このストレス臭を防ぐには、ストレスを受けないことが一番ですが、現代のストレス社会においてはなかなか難しいですね。
ストレス汗でベタベタ対策は?
脇に多くあるアポクリン腺は、緊張状態の時やストレスを感じた時に活発に働くため、汗の分泌量が増加します。
アポクリン腺からの汗には、タンパク質やミネラルなどを含む脂質、アンモニアなどが含まれています。
成分の99%が水のさらっとしたエクリン腺からの汗とは違って、ベタベタした感覚があります。
精神性発汗は短時間で、大量に汗が出ます。
からだに密着していたり、ポリエステルなどの吸水性のない化学繊維の衣類を着ていると、脇が蒸れやすくなって、においを増加させる原因になります。
ストレス臭の対策としては、精神的に緊張しやすい方や、その日に緊張する出来事があるという場合は、蒸れにくい服装を選ぶと良いですね。
また、汗をかいた時は、におい菌が繁殖する前に、早めに拭き取ることも有効です。
アポクリン腺が多い部位は、お風呂でもしっかりと洗い、常に清潔に保てるようにすると良いですね。
まとめ
現代社会においてストレス臭は、もしかしたら多くの人が感じているかもしれません。
「自分だけがくさいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、人間の体の機能として、年齢性別に関わらずに発生するものです。
蒸れにくい衣類を選んだり、汗をかいたら早めに拭き取るなどの対策をして、うまく乗り越えていきましょう。
コメント