初雪の時期が近づくと、現れると言われている雪虫。
雪虫が飛んでいるのを見かけると「もう少しで雪が降るかな?」と雪の季節の訪れを感じる風物詩のようになっています。
でも、この雪虫の生態についてはご存じですか?
雪虫の体に付いている、気になる綿のようなふわふわについてもお伝えしていきたいと思います。
また、北海道では年によって、この雪虫の大量発生が見られます。
その原因とは一体何なのでしょうか?
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雪虫の生態は?
#秘密にしておきたかった生き物
雪虫(ユキムシ)
北海道では雪虫を見た1週間後には初雪が降ると言われている。
正式名=トドノネオオワタムシ pic.twitter.com/LOMzCZqdqN— SAKAE&するば (@2saKae5) May 18, 2016
雪虫は体長4㎜ほどの、小さくて羽が生えた虫です。
雪虫は冬の季語でもあり、雪虫が飛ぶともうすぐ初雪が降ると言われています。
北海道や東北地方ではよく見られる、なじみのある虫です。
虫ではありますが、その小さな体には綿のような白いふわふわしたものを付けていて、それが雪のように見え、ふわ~と静かに飛ぶ姿は、まるで雪が舞っているように見えます。
虫が苦手な私も雪虫は平気で、見かけるといつも手に乗せてみたりしています。
北海道や東北の寒い地方ではおなじみの雪虫ですが、暖かい地域に住んでいる方には知らない方も結構いるみたいですね。
この雪虫ですが、呼び名は地域によっていろいろあって、雪虫の他にも、綿虫やユキンコ、しろばんばなどと呼ばれていたりします。
私の母の実家ではユキババと呼んでいましたが、あまり周りでは聞かないので、この呼び方はうちの実家だけだったかもしれません。笑
雪の季節の訪れを告げるというちょっとステキな雪虫ですが、その正体は実は、体が白い綿で覆われたアブラムシの仲間の総称なんです!
種類がいろいろありますが、その中でも代表的な虫の正式名はトドノネオオワタムシといいます。
アブラムシの仲間なので、簡単に言うとアブラムシに、羽とステキな雪のような綿がついているという感じですね。
この雪虫は日本だけではなくサハリン、朝鮮半島、シベリアでも見られています。
そしてトドノネオオワタムシは、樹木の根から吸汁する害虫とされています。
あの雪虫が実は害虫だったなんて、ちょっと驚きです。
トドノネオオワタムシは、春にはモクセイ科のヤチダモやアオダモ、ハシドイなどの葉や細い枝に寄生しています。
私の家の庭にはアオダモの木があるので、うちの木にも寄生しているかもしれないのですね。
これによって、ヤチダモやアオダモなどのモクセイ科の樹木では、葉がしおれて縮れたりアブラムシが多数見られることがあって、生長が阻害されることがあるそうです。
アオダモでは幼木が枯れてしまうという被害も報告されているそうですよ。
夏の間はトドマツの根で生活しています。
だからトドノネオオワタムシというのですね。
特徴をよく表していますね。
夏の間はトドマツの根、つまり地下にもぐっているんです。
晩秋にはまた、モクセイ科の樹木に戻っていきます。
季節によって移動するのですね。
雪虫の綿の意味は?
雪虫の体には綿のような白いふわふわが付いていて、それがまるで雪が舞っているかのように見えますが、それは何のために付いているのでしょうか?
雪虫は体長4㎜程で、とても小さい虫です。
体の綿は飛ぶときに風の流れに乗り、ふわふわと漂いやすくするためにあります。
また、雪虫が地面にいる時に、土や水分から身を守るためとも言われています。
ちなみにその白い綿のようなものは、アブラムシが出しているロウ状の物質です。
アブラムシという名前なだけあって、体から分泌している油なんですね。
雪虫は風で簡単に飛ばされてしまうので、風が強い日には飛ぶことができません。
そのため移動性高気圧に覆われて風が弱くなった時を見計らって、トドマツから飛び始めます。
高気圧が通り過ぎた後には、強い冬型の気圧配置になって雪が降りやすくなるので、そのようなことから雪虫が飛ぶと雪が降ると言われるのでしょう。
でも雪虫が季節を感じるメカニズムについては、解明されていないこともまだまだ多く、謎に包まれています。
温度変化や日の長さの変化、雪虫の餌となるトドマツ樹液の成分の変化も関係しているのでなはないかと考えられています。
雪虫の大量発生の原因
『雪虫』をご存知ですか?和名はトドノネオオワタムシといい、北海道や東北で10月~12月頃に見られます。北海道では「出現すると1週間で雪が降る」などとも言われますが、今年も既に飛び始めています。https://t.co/4pzvs2hhEs pic.twitter.com/wZmMnZb03C
— ウェザーニュース (@wni_jp) September 29, 2017
私は数匹、優雅に舞っている姿しか見たことがありませんが、実はこの雪虫、北海道では大量発生している年があるんです!
その光景はすさまじいです。
大量発生すると、口、鼻、目、耳の中にも入ります。
服にも付きますが、手で払おうとすると服に付いて服が汚れます。
髪の毛にも絡まります。
車のフロントガラスに、はり付いて前が見えなくなります。
洗濯物も外には干せません。
大量発生の時にはまさに吹雪のような状態になり、マスクやサングラスをしたり、服に付いた雪虫はコロコロでとったりするみたいです。
雪虫の寿命は1週間程度でそんなに長く生きられる虫ではありませんが、これは困りますね。
また熱にも弱く、人肌の温度でも弱ってしまうほど繊細です。
手に取る時も本当に優しく乗せないと、ちょっと力を加えたり白い綿がとれただけで飛べなくなってしまいます。
一時的に大量発生しても、少し経つとあっという間に消えてしまいますが、一体なぜそんなに大量発生したのでしょうか?
原因としては温暖化が考えられます。
例年に比べてその年が暖かく、夏が暑かったりすると、10月から11月の気温が高めで、風もあまりない日に大量に雪虫が発生することがあるようです。
雪虫にとって成長しやすい環境が整い、また風がなく、秋冬も気温も高く経過することで雪虫にとって移動しやすい環境が整うことになります。
雪虫の生息地は、北海道や東北などの寒い地方ですが、これから温暖化が進めば、今後も大量発生する可能性があります。
まとめ
北海道や東北地方では毎年何気なく目にしている雪虫ですが、地球温暖化によっては今後も大量発生することがありそうですね。
雪の季節の訪れを告げる雪虫。
今年の冬は是非この雪虫に、注目してみてくださいね!
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