紅葉が綺麗に色づく秋は、登山にちょうど良い季節ですね。
近年では、おしゃれな山ガールもたくさん見られるようになり、登山が以前よりも身近なものになったという人もいるのではないでしょうか?
安全に登山するためには気を付けるポイントがいくつかありますが、登山中の栄養補給も最後まで元気に歩くためにはとても重要なことです。
登山中の栄養補給、行動食についてお伝えしていきたいと思います。
<その他の秋の自然はこちら>
秋の自然どんぐりの虫処理や登山もみじサンマ毒きのこ食中毒体験も
登山の栄養補給の重要性
登山で使われている用語に「シャリバテ」という言葉があります。
これは登山用語で、山を登るのに必要なエネルギーが不足してバテてしまうことをいいます。
シャリとはご飯のことを指し、それが不足してバテることで、このような言葉ができてしまうほど、登山には栄養補給がとても大切だということが分かります。
登山では長時間、体を動かし続けるため、日常生活とは比べものにならないほど多くのカロリーを消費します。
適切な食べ物をとらずに激しいエネルギー消費を行うと、血糖値が下がり、急にひどい空腹感に襲われて全身に力が入らなくなり、動けなくなってしまいます。
この状態をハンガーノックとも言います。
ハンガーノックとは、マラソンやロードバイクなど、長時間カロリーを消費し続けるスポーツで起こるエネルギー切れ状態のことです。
体内に貯蔵されているエネルギーを使い切ってしまうことで身体が動かなくなり、頭がもうろうとする、手足がしびれる、吐き気がする、などの症状があらわれます。
一度ハンガーノックになってしまうと、その状態になってから慌てて食べたり飲んだりしてもすぐには回復しないので注意が必要です。
ひどいときには、そのまま意識を失ってしまうこともあります。
登山の場合、山の中で動けなくなってしまうことはどれだけ危険なことか、想像できると思います。
また、長時間の登山を続けていると内臓の機能が低下し、一度に摂取できる食事の量が低下する場合があります。
そして普段のように、朝・昼・夜の3食だけでエネルギーを摂取しようとすると、そのたびに血糖値の急上昇と急低下を招く可能性があります。
そのため、短い休憩時間で少しずつ食べる「行動食」と呼ばれるもので、こまめに補給していくことが重要です。
また、摂取する行動食としては糖質が適しています。
体内には脂肪(脂質)が蓄えられていますが、脂肪は着火剤となる糖質がないと、燃焼できないためです。
登山の行動食のおすすめは?
行動食とは、休憩のときや歩きながら手軽に短時間で栄養やカロリーを摂取できる食べ物のことです。
長い休憩時間をとってしまうと、体も冷えてしまうため、状況に応じて休憩時間は短くこまめにとるようにします。
登山はたくさんのエネルギーを消費するため、行動食選びで優先したいのが高カロリーでエネルギー源になる、手軽に食べられる物です。
行動食だけで1日を乗り切るのか、しっかりと昼食を食べるのかは計画によりますが、お昼をしっかり食べる場合にも、途中の休憩や歩きながら食べるおやつは必ず持って行きましょう。
具体的な例としては次のようなものがあります。
【行動食】
・パン
・おにぎり
・チョコレート、焼きチョコ
・バナナ
・ドライフルーツ
・羊羹
・ナッツ類
・栄養ゼリー
・飴
・ソフトクッキー(カントリーマアムなど)
・カロリーメイト、シリアルバーなど
・柿の種、柿ピー
・甘納豆
・タブレットのブドウ糖のラムネ
一気にたくさん食べると消化のため内臓に血流が奪われ、脳への血流が減少することで、注意力が散漫になり、思わぬケガや事故を引き起こす可能性があります。
量はその人の体格や、どの程度の登山なのかによっても変わってくるので、疲れを感じたり、小腹がすいたタイミングで少しずつとるようにします。
「お腹が空いてないから食べなくていい」と思っていると、シャリバテなってしまうことがあります。
食べたお菓子やおにぎりが、エネルギーに変換されるまでは時間がかかるため、早めに食べるようにしましょう。
ブドウ糖はすばやく吸収され、エネルギーに変換されます。
懐かしいパッケージのブドウ糖ラムネは、原材料の90%がブドウ糖という優秀なエネルギー源です。
ブドウ糖は瞬発系のエネルギーなので、バテからすぐに回復したい時や、岩場など集中力が必要な時に適しています。
軽くて持ち運びやすいので、行動食にもぴったりでおすすめです。
持久力を保つためには、ブドウ糖だけではなく、ゆっくりと吸収される果糖や脂質などと組み合わせるのが効果的です。
また行動食は、甘味・塩味・酸っぱい味をバランスよく選ぶことも大事です。
様々な味があれば、体の欲求やタイミングに合わせて食べ分けることができます。
登山では大量の汗によって体内の水分が失われるため、適切な水分補給もとても大切です。
脱水症状は、症状が進むと血栓のリスクなど命に関わってくる場合がある危険な状態です。
水分も歩きながら20分おきくらいに、1口~2口くらいずつ補給します。
水や麦茶、スポーツドリンクなどでいいですが、スポーツドリンクだけだと口の中が甘くなるので、甘くない飲み物もあると良いですね。
まとめ
私が初めて登山デビューしたときは、行動食の大切さを知らずに、昼食までほとんどとらずに歩いてしまったため、かなりバテバテになりました。
自分よりかなり年配の皆さんが、頂上目指して元気に追い越していくのを「一体なぜ!?」と不思議に思って見ていた記憶があります。
その次の登山からは、こまめに行動食と水分をとるようにしたら、体がだいぶ違いました。
登山を安全に、そして快適に楽しむために、ぜひ行動食の準備も万全にしてお出かけください。
<関連記事>
登山と一緒に紅葉狩りもどうぞ
紅葉狩りの意味や由来は?一体何するの?いつ行くのがいい?
コメント